Lean UXが拓く最適なデザイン メモ
以下先日のセミナーのメモ書きです。自身の備忘録用に残しておきます。
Lean Startupの実践と難しさについて
- 工藤博樹さん
- MerryBiz 代表
- Lean Startup Machine Tokyo 主催
Lean Startup Machineとは
- Lean Startupのワークショップ啓蒙団体
どうやってやってるか
- Javalin Boradを利用して、やりたい事が刺さる顧客を考える。以下の要素をできるだけ具体的に埋めていく。例えば顧客は学生でもどういった学生なのかなど。
- 考えるのは顧客は誰か?
- 課題は何か?
- 前提は何か?
判断基準は何か?
ここで実際に外に出て顧客になりそうな人にインタビューして検証する。
「もっと顧客を細分化して考えるべき」「海外では受けたけど日本では違った。。」など。このプロセスを繰り返して「顧客は誰か」「どんな課題があるのか」を明確化していく。
MeryBizでのLean Startupの実践
MeryBizとは?
- 中小企業向けの経理のアウトソーシングサービス。
- レシートを送ってもらってそれをデータにして返すサービスを行っている。
独立した当初は何をやるか決まってなかったが、もともと自分では事務作業に痛みを感じていた。
- そこで「これは課題じゃないか」と認識して事務作業のアウトソーシングサービスを始めた。
- 最初は経理も予約など事務作業を何でもやろうとして、サービスがぼやけてしまい失敗した。
- Webのページも経理系のサービスだったので固いイメージを持っていたのでそれに反して柔らかいイメージにしていた。しかし顧客が経理に求めているのは「安心」だった。なので固めのページに修正した。仮説のずれを検証して修正のサイクルをまわした。
LeanUXのサイクル
- 前提の宣言
- MVPの作成
- 実験の実行
- フィードバックとリサーチ
実際に難しかった事
- LeanUXをメンバーの共通言語にすること。
- メンバーが物理的に離れていたので認識が食い違う事が多かったこと。
LeanUX Designing Calture 組織文化をデザインする
- 坂田一倫さん
- 株式会社Concent User Experience Architect
IT is a rapidly changing business
- IT業界の変化は早い。
流れが速いからこそ、流行に惑わされずに、本質を見極める必要がある。
米Yahooのメリッサマイヤーがそれを実践できていると考えている。
「We need to be one Yahoo! and that starts whith physically being together!」
在宅勤務をやめさせて物理的な距離を近くした。
これによって人の意見を交換させて新しいアイデアに結びつけれるようにした。 - 企業の本質は「文化」である。
Lean UX Mind Set
- 「どのようにつくるか」ではなく「どのようなもの」を作るか。
- サービスやものづくりにおいて手段が目的化してしまう。
- 無駄をなくす事が目的ではない。結果的に無駄が無くなる。
- Build Mejar Run だがBuildからでは無く逆から考える。
「問題解決」よりも「問題の発見と定義」に重きをおく。
正しい問題を解決しているのかを重視する。
- 例えば医療系の会社で風薬を作った場合だと以下の事を考えているか?
- 「この薬が解決する症状ってなに?」
- 「その解決を望んでいるどこにいる?」
- 例えば医療系の会社で風薬を作った場合だと以下の事を考えているか?
「足の引っ張り合い」から「助け合い」文化の醸成
Transparent「透明性」
- Demystify「打ち明ける事」できること困っている事をお互いにうちあける
- Cross-functional Collaboration チームから独立して働く贅沢は許されない。
Lean UX is an Engine of Learning
- Lean UXは組織の学びのエンジンである。学びは二種類ある。
ユーザからの学び
メンバーからの学び
前提を明らかにする段階でお互いの認識を理解して学べる。
お互いの職能が異なると視点も異なるが、それをお互いに学び合う。C-P-S hypothesis
- Problem(課題)
- Custamer(顧客)
- Solution(解決法)
まずこの3点について仮説を埋める。
埋めれなかったら理解が足らないかもしれないので学びにいく。
実践してみて仮説と異なったら、どの軸かをピボットする。
No more of this
- 考えていたものと違うものができあがってしまったという状況はもう見たくない。
- もっとコミュニケーションを綿密にする必要がある。
- 作る工程はハッカソンの方が一般企業より上だと感じた。10時間でアプリのプロトタイプが作成できた。こういったハッカソンがLeanUXを学ぶにはいいと思う。 組織図に惑わされないで本来のものづくり、事作りに集中する。
すばらしいUXはどこから生まれる?
松井田彰さん
- 教育ベンチャーednity UXデザイナー
ednity 学習環境のリデザインを掲げる = education + community
LeanUXの実践
5名のスタートアップでるednityでは下記のような流れで行っている。
デザイン会議
- どのようなシーンで使われる?どのような体験がふさわしいか?
- ペーパープロトタイピング
- ユーザービリティ確認。すぐにできるのがメリット。
- デザイナー、エンジニアはそれぞれデザインとモックを作成。
- 各作成物を合体させる
LeanUXから学んだこと
メンバー全員で机を並べて協力してやった。
ペーパープロトタイピングで素早いフィードバックができた。
- 思考プロセスの共有 実際にあると解り易い
- 多くの創発性 アイデアが色々でてくる
- チーム全員が責任をもつ チームがUXに対して責任を持てる
- プロダクトの質の向上 メンバーで遣る事で理想とのギャップが減った
- 無駄な中間制作物の排除 ワイヤーフレームとかカンプとかもう使わない。
場をつくる
会議の場に以下のような事をしてリラックスして話やすい環境を作る。
- ポストイットの配置
- おかしをおく
- 音楽をかける
創造的なチームからUXは生まれる
そのために各メンバーは適切なふるまいをする必要がある
LeanUXで変わる group discussion
LeanUXを導入しようとしてもコンフリクトが起きるけど?
- 非デザイナーにデザイン思考を共有できるような環境、意見が生まれ易い環境をつくっていく。
- ファシリテーションが必要。
ファシリテーションでの工夫は?
- PMが指示してやらせて確認だと上手く行かなかった。。デザイナーに権限を渡した。他のメンバーが自発的に動けるようにつんつんする」
- メンバーの意見を言い易くする。➡「スクラムと同じ?」
大きいチームから小さいチームでの変わった事は?
UxDの考え方の導入
- ワークショップ
- 研修
プロジェクトに導入してファシリテートする
- 目的、企業規模によって異なる。
UxDのアプローチで難しいのは投資価値をどうやって認識してもらうか。
- ユーザー中心って本当に意味があるのか?ROIをどうやって出しているのか?
- まず課題がある。例えば問い合わせページに人がこないなど。それを解決する手段として実践してみて早くから効果がでた。
LeanUXは文化だと思っているのでROIは違和感がある。後から理屈付けはできるけど。。
- でも組織にいると導入に説明が必要。
- チームなどで実験的にやってみて実際やってみての成果(コミュニケーションコスト削減、無駄な成果物など)を伝えてみる。
- 目的ではないけど、結果論として無駄が減る。
- 無駄が無くなった理由はこういった文化がチームにあったからって説明ができる。
- 部署レベルからやる。
- BalanceTeamConference で言われているのは
- ビジネス決定できる人
- . デザイナー
- . エンジニア
3人チームがバランスとれる。わざわざ3人のチームにするのは意思決定を早くし、リスクを取れるチームを作るため。3人は握手三回。4人だと六回。つまり4人目以降はコミュニケーションコストが増える。
- 文化っていってるけどとは?
- 企業における生活そのもの。そこの見直し。
- 効率性の維持によって失ったものがある事に気づく。
- Remoteでのチームビルディングって難しいのでは?
- 興味の周りに人が集まるもの。なのでお互いに興味を持つ。「デザイナーが何やっているのか?」「エンジニアが何やっているのか?」お互いに興味を持っていれば距離は関係ないものになるのでは。